高額な工事費で発注している企業の特徴とは

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田辺 陽

B!

これまで当社が800件以上の案件を提出してきた経験から、工事費の見積が高くなってしまう会社の特徴をご紹介します。自社に当てはまる要素がないか、チェックリストとして活用いただければと思います。

 高額な工事費で発注している企業の特徴


経営層と現場が異なる方向性を向いている

当社の支援実績からも経営層が現場の状態や取組内容をよく理解せずに、とにかくコストダウンを至上命題に指示されていることが多く見受けられます。現場側の意見としてはそもそも今以上の良いやり方が判明していない状態かもしれません。また、削減の取組を行ない少なからず成果が得られた場合でも、人事評価に反映されないため業務に不満に思っているということも考えられます。このように、経営層と現場が同じ方向性・目標を持って取り組みができていないケースをよく見かけます。経営層は現場に対して、品質を保ちながら適切な金額での工事見積の取得が実現した場合、人事評価の設定など環境作りを行うのも一つの手です。現場人材は現状の状況をつぶさに開示し、今よりも良い状態になるような情報収集を行い、施策を実行していかなければなりません。

考えが固定化しており変化を好まない

次によく見られるケースが、変化を好まない企業です。これは経営層自体の問題もありますが、現場人材の問題としてもよく見られます。自分たちのやり方が正しく、今のやり方を正しいという考えに固定化しがちです。現場としても評価が同じであれば、同じことをしていた方が楽だということも言えます。もしも新しいやり方を取り入れて、失敗したらどうするのか?と新しい試みに挑戦しない失敗を認めない会社は往々にして実現しません。経営層としても変化をしない現場を責めるのではなく、変化をしていくことを評価する考えになる必要があります。

付き合いや縁故など関係性のみを重視している

縁故関係、知人からの紹介など関係性を重視するばかり、正しい経営判断ができていないケースが見られます。昔から知っているから安心、長い付き合いだから小回りがきく、大手企業だから信頼ができるだろう、ということで取引先を開拓しようとしない会社が多いです。結果として、その安心感がコストに反映され、通常よりも実は高いコストを支払っているケースが多数存在します。適切に取引関係を見直していく必要があります。

工事への見識が担当者にはあって経営層に無い

このケースで比較的多いのが、大手企業で工事発注担当を行ったなどの経験がある担当者がいて、さらに経営層が工事計画の知識や見識が無い場合です。経営層としても担当者の意見について判断できないために、担当者の言いなりになってしまっている場合があります。当社がこういったご相談いただき内容をお聞きし感じることは、担当者が仕事をしやすいだけの環境になっているということです。自社は出来ていると考えるのではなく、経営層に工事の見識がない場合は定期的に過去の工事内容や将来の工事計画についてしっかりと管理・精査する仕組みづくりを外部の力を借りるなどして行うことが大切です。

チェック機能が無い

工事に関するご相談を受けていて、計画に対するチェック機能の無い企業は本当に多いと感じています。工事業者選定、見積取得、図面の作り込みなどそれぞれの品質基準とその評価制度が存在せずに、工事業者を選定し工事を実施しています。工事計画への見識が無いがために、業務をこなすことに精一杯となり仕方なしにコストへの意欲が低くなってしまう様です。チェック機能一つ一つ解決することが自社だけでは難しそうな場合は、第三者の協力は大きな原動力となるでしょう。
 

まとめ

工事費を適正化していくことは小手先ではなかなか実現できません。工事の発注体制を適切に構築することが、結果として適正な金額を取得していくことに繋がるのです。いわば経営の体質改善と同様です。つまり、正しい経営体制を構築することこそが、工事発注・工事費適正化の第一歩です。

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