工事計画の外部アドバイザーを採用する際に注意すべき5つのポイント

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田辺 陽

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「新規事業として店舗を出店する」、「オフィス移転するため内装工事や原状回復工事が必要」、「保有している建物の修繕工事を計画する」など、工事を行う機会はどの企業にもみられます。初めて工事を計画する方にとっては、何を準備しどう進めていけば良いのか分からないことだらけのスタートになることでしょう。社内に工事に関する知識が豊富な人材がいれば良いですが、いない場合には雇うなども考えられますが、工事のためだけに専門の人を雇うというケースは稀でしょう。それでは、その様な中でも工事費の適正化を実現することは可能なのでしょうか? 当社としては結論、可能だと考えています。

工事関連の業務で外部の力を借りる

このテーマの解決手段を先にお伝えをすると、「外部の力を借りること」が一つかと思います。経営層が工事分野に不慣れであった場合に、社内人材の進める工事計画や業務が正しいかどうかを判断することはできません。その点、しっかりとした第三者的な立場の人材を活用することができれば、不足している見識について補完しながら判断していくができるでしょう。では、そのような第三者的な立場の人材、アドバイザーを活用する場合には、どの様な点に気をつけなければならないのでしょうか?

 工事計画の外部アドバイザーを採用する際に注意すべき5つのポイント


業者選定を論理的に行っているか

外部アドバイザーも施工会社を選定する際に色々と助言してくれると思います。その際にどういったことを基準に選定をしてくれるかは重要な視点になります。
計画をしている工事に対して、大きくは3つの視点に基づいて提案してくれているかを確認すると良いでしょう。
①候補の施工会社が得意としている工種か
②候補の施工会社の会社規模と工事規模が合っているか
③工事場所は候補の施工会社が実施する適切なエリアであるか
上記を踏まえた上で、工事ごと、プロジェクトごとに最適な業者選定をアドバイスしてくれることが最適な工事計画を進めるために必要なことだと考えてください。そのため、特定の工事業者と紐づいているアドバイザーは回避した方が良いでしょう。



豊富な経験を持ち工事に精通しているか

アドバイスを行う立場ならば、経験が問われます。数多くの経験で豊富な実績があるのであれば多様な経験をしているという可能性が高く、自社にとって最適なアドバイスを行ってくれる可能性も高いと言えます。可能ならば、コンサルタントとしてだけでなく、建築や内装の営業・顧客折衝業務や施工管理、設計事務所での経験、工事現場での作業など工事を行う側や商流を理解できる立場を経験しているアドバイザーに依頼することが理想です。このような人材は良いアドバイスをする可能性が高いと考えられます。



単なる作業代行業者でないか

工事計画や工事費削減のアドバイザーの中で、多く見られるのがこのケースです。単に相見積もりの取得を行うのみでコスト削減の提案を行う企業が多く見られます。このようなケースでは、工事品質の担保は期待できませんし、そもそも単純に作業を代行してもらっているに過ぎません。この様な会社にアドバイスを貰っても、自社のコスト改善を行う上での経営体質の改善は期待できないでしょう。

 


個別の手法で支援してくれるか

これは大変重要な視点だと考えます。個別の手法とは言い換えれば、自社の状態に合わせて最適なアドバイスや支援を行ってくれるという事です。工事費の削減は、まずは自社の工事発注体制がどのようになっているのか、将来どの様な状態にしたいのかの目的でそれを達成するための手段は変わリます。画一的な手法(相見積もりの取得数を増やす、特定業者の入れ替えを行うなど)のみでは本質的な効果は見込めません。本質的な改善を実現しようとした場合、そもそも経営体質を改善する事が必要です。そのためにも、自社に合った改善のアドバイスを実施してくれるアドバイザーを選定した方がより良いでしょう。

 


本質を押さえているか

工事費の適正化は、工事の発注体制を見直すこと、体制構築することが本質であると弊社は考えています。適正化を達成するためには、見積もり取得内容、見積もり後の交渉、工事業者の選定方法、スケジュール、発注内容、発注方法、図面の内容と制度など様々な点で最適な方法を導入しなければなりません。この本質を押さえながら工事発注の計画を進めなければ、工事品質を担保しながらコストの適正化を実現することは出来ないと考えてよいでしょう。

 


まとめ

以上のような点を踏まえて、外部アドバイザーが工事を終えた後に自分たちのやりたいことを叶えてくれるかを確認すると良いでしょう。あくまで発注者としては、実現したいことがあり、その達成のための手段として工事を行うことと思います。外部アドバイザーに依頼する場合には、その点を発注者からも十分に伝えた上で、一番目的を叶えてくれるアドバイザーに依頼することをおすすめいたします。

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