工事発注時に気をつけるべき4つの基本的なポイント

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田辺 陽

B!

当社には、「飲食店舗を出店するため工事の計画を立てたい」、「オフィス移転をするため原状回復工事を実施する」「老朽化したアパート・マンションや工場の建替えや修繕工事を行いたい」、「工場移転を計画している」など工事の計画に関する色々なご相談をいただく機会があります。そこで、今回は工事を計画する企業様が工事発注をする際に気をつけていただきたい基本的なポイントについてお伝えします。

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 工事発注時に気をつけるべき4つの基本的なポイント


工事会社の言いなりにならない

工事会社からの提案をよく検証せず「自社に建築の知識がないから全て任せてしまおう」と、言われるがままゴーサインを出してしまうケースは大変危険です。なぜなら建設工事の特徴として、多くのBtoB向け製品やサービスと同様に適正金額が評価しづらいという点があるからです。工事会社も営利を求める企業ですから、少しでも多くの売上や利益に繋がるようにと考え、あの手この手で策を講じてきます。さらに、「発注者側に知識がなく自社の言いなりの状態である」と認識されてしまうと、過剰な工事範囲や不当な工事単価の提案・見積を出してくるケースも多くあるのです。弊社へご相談いただいた企業様にも、よくよく中身を検証せず発注してしまい、不必要な工事や相場よりはるかに高い価格で工事発注をしてしまったという話をよく伺います。こういったことにならないよう、発注者は工事会社の提案・見積を確認・検証し、分からないことにはしっかりと説明を求めるなど綿密な打ち合わせを重ねた上で工事会社と調整する必要があるでしょう。

工事範囲・内容を明確にする

工事を発注する際に重要なのは「依頼する工事の範囲や内容を明確にしておくこと」です。依頼すべき工事範囲や内容を曖昧なまま各社に見積依頼をしてしまうと、各社からバラバラの提案が出てきてしまい、正しい比較・検討を行っての判断ができなくなってしまします。そのようなことにならないよう「何をどの程度の内容で建築・工事したいのか」を可能な限り明確にした上で、見積依頼をしていく必要があります。特に大型の新築工事や大規模な修繕工事となれば、設計と施工を分離する必要が場合によってはあるかもしれません。新築・修繕すべき工事範囲と仕様(内容)を明確にして各工事会社から同一内容での相見積を取得する、といった体系化した発注プロセスを採用するなどを検討すべきと考えます。

工事内容や規模に見合った、適切な工事会社に相談をする

ひと口に「工事会社」といっても、それぞれの会社によって工事種類の得意・不得意分野が大きく異なります。例えば、新築工事においては木造建築に強い会社、鉄骨造に強い会社、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造に強い会社など、建物構造の違いで会社の得手、不得手があるのです。また、修繕やリニューアル工事においても、防水・外壁の専門業者もいれば電気設備の専門業者、空調専門業者など様々な専門工種の業者がいます。工事発注においては、当然ですが皆さんが行おうとしている工事の種類や規模感に合った適切な工事会社に発注すべきです。逆に言うと、工事内容や規模感に合わない(又は得意としていない)先に依頼をしてしまうと「スケジュール通りに工事が進まない」、「完成した建物に不具合が多い」、「金額が割高になってしまった」といったリスクが発生する可能性が高くなります。工事の発注をする際は「その工事会社が現在計画している工事のノウハウや経験値がどれくらいあるのか」や「依頼したい工事内容を得意としている会社なのか」などを、過去の実績などを取り寄せた上で十分に確認し、適切に判断していきましょう。

複数の会社から相見積を取得する

工事にあたって1社のみからしか見積を取得せずに(相見積を取らずに)、発注をしているケースをよく目にします。「昔からの付き合いだから」や「誰々さんの紹介だから」、「担当者が良い人で親身になっていろいろと相談に乗ってくれているから」など理由は様々です。しかしながら、当然ですが1社からのみの見積取得だと、比較検討ができないため正しい判断ができない可能性が高まります。また、単独見積であることが工事会社側に伝わってしまうと、「競合他社がいないから高い金額でも受注できるだろう」と割高な見積を出されてしまう可能性も高まります。大きな金額になる工事であればあるほど、最適な内容・価格で工事ができるように複数社からの相見積を基本として取得し比較検討・検証ができるようにしていきましょう。

まとめ

工事費が高額となる事業全体への影響がかなり大きくなります。大規模な工事を計画する場合は、なおさら調整すべき事項や検討項目も広範となるため、建築だけでなく予算計画や資金調達のための金融機関との連携を含めた総合的な体制づくりができるかどうかがポイントとなるでしょう。工場建替えや大規模なリニューアル工事は、建物そのものだけではなく、予算や期間・チームづくりなど含めた、会社全体として取り組むべき大きなプロジェクトとなります。可能な限り、経営者様ご自身が主導して、プロジェクトを推進していくことをお勧めします。

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