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2018.06.16

工事費削減

原状回復工事の現状と工事費削減

2017年の衆参議院で可決された民法改正の中に原状回復工事のルール化があります。(1896年以降、大幅な改正がなかった民法において120年ぶりの大改正となっています。)ただし、この対象の中心としてはアパートやマンションなどの居住用の賃貸が主となっています。実際に企業が契約を行う商業施設などの賃貸借契約書内には経年劣化についてまで明文化されて賃貸人(テナント)側の負担において原状回復することが記載されていることが多くあります。

そこで、ここでは商業施設やオフィスビルにおける原状回復工事の現状ついてご紹介致します。

 

■原状回復工事の現状

1:退去時の工事はまず全てがB工事(※)

2:ビル指定のゼネコンが多い

3:見積もり金額が相場の2〜3倍は普通

4:価格交渉・減額の方法ある

 

では、上記に挙げた4点について紹介をしていきます。

1:退去時の工事はまず全てがB工事(※)

賃貸借契約書に「本契約の終了に際し、賃借人は賃借人が実施した設備・機器・造作・間仕切・建具・物品等を賃借人の負担において撤去し、補修を要する部分を修繕したうえで、貸室を本契約終了の期日までにすべて原状に回復のうえ明け渡して変換しなければならない。原状回復に要する工事は、賃貸人または賃貸人の指定するものこれを行い、その費用は賃借人が負担するものとする。」というような主旨の文言が記載されている事が多く、原状回復工事自体がかなり制約のある工事となり、価格も高額にならざるをえない工事となっています。

 

2:ビル指定のゼネコンが多い

これまでの実績の中である程度の規模がある商業施設やオフィスビルの場合にはスーパーゼネコンをはじめ大手のゼネコンが見積もりお提出している事が多く見受けられます。もしくは大手不動産ディベロッパーやその子会社が見積もりを提出し、その傘下としてスーパーゼネコンが施工を行うような体系になっている事が多く存在します。

もともと、そのビルを新築したゼネコンがその後の施設内の工事を指定業者として請け負う事が多い為、規模の大きなビルになればなるほど大手・スーパーゼネコンが指定業者として出てきます。

 

3:見積もり金額が相場の2〜3倍は普通

テナントが入札をして競争原理がある中での工事費と比べて、B工事指定ゼネコンが提出する工事費はその2〜3倍の価格であることをよく見ます。当社の削減実績としてもB工事がテナント側の施工会社で発注ができた場合には、対象の工事自体は3分の1になっている案件も多々あります。その為、入居時は割安で入れたとしても、後にはなにも残らない退去する際の原状回復工事に多額の費用が掛かる事も計画に入れた上で出店や入居をする必要があります。

 

4:価格交渉・減額の方法ある

1〜3で指定業者は切り替えられず、1社独占で受注が確約されているのでどうしようもない。という様に思われてしまうかもしれませんが、価格交渉は多くの場合で出来ます。

不動産ディベロッパーとの関係性や工事内容にもよりますが、価格交渉を行ったり・工事区分の交渉を行ったり・査定会社を利用したり等、方法はいくつもあります。ただ、時間がなくなってしまうと削減方法の幅・実施できるスキームが少なくなってしまいますので、撤退・退去を決めた際には早めに計画を練ることをお薦めいたします。

 

 

※B工事とはテナントの要望によりビル側の指定業者にて施工・工事を行い、テナントが費用を支払う工事。ビル側指定業者は競争環境にさらされない為、競争原理が働かず高い価格設定で見積もりをする事が多くある。特にスーパーゼネコンが指定業者となる場合には相場よりも乖離した見積もりになる傾向が見受けられる。