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2022.11.11

コラム

知っておくと得する大規模修繕工事の費用を抑えるためのポイント

大規模修繕工事は、おおよそ10年〜15年に一度の周期で必要になると言われています。気になる工事金額の相場は、国土交通省のデータによると中央値で8,665万円です。(1回目の修繕工事の場合)調査対象となったマンションの規模で一番割合が高かった戸数が、51戸〜75戸であったことを考えると、1戸あたりの工事金額も高額であることが分かります。(出典:令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査(https://www.mlit.go.jp/common/001234283.pdf)
もちろん工事金額は、マンションの形状や仕上げの形態、施工のグレードによって変わるため、各案件の状況に応じた最適な計画を立てる必要があります。マンションの規模が小さければ3ヶ月ほどの短期間で終わることもありますが、大規模なものになれば1年以上かかることもあります。そのため、計画段階よりしっかりとした準備を行う必要があります。しっかりと計画を立てて実行することができれば、結果として工事費を低減することにも繋がります。今回のコラムにおいては、計画段階からどうしたら大規模修繕工事の費用を抑えることができるのかお伝えできればと思います。

■大規模修繕工事の費用を抑えるための3つのポイント
(1)建物診断で適切な工事範囲や内容を検証する
(2)施工業者は相見積もりを実施し、内容を検証できる体制を構築する
(3)準備段階からスケジュールを設定して進めていく

(1)建物診断で適切な工事範囲や内容を検証する
修繕工事前に工事範囲や箇所を確認するための建物診断を実施することと思います。建物診断により適切な工事内容と金額を把握することができれば、そのために必要な修繕積立金額も分かります。建物診断を行う際の注意点は、特定の工事業者1社が行った診断のみで判断をしないことです。1社のみの診断では必要のない工事も含まれた過剰な工事計画を提案される可能性があります。そのため、可能であれば複数の業者から建物診断を行えるようにし、なぜその内容となったかの根拠を各社に確認しましょう。もしくは、信頼におけるアドバイザーがいれば診断結果を検証してもらうと良いでしょう。適切な範囲で工事を確定することができれば、適切な見積もり基準を作ることができます。なお、管理会社や管理会社の斡旋業者は建物診断を無料で請け負ってくれることも多いですが、紐づく施工業者と繋がっている場合があり公平性は保証されないため注意するようにしましょう。

(2)施工業者は相見積もりを実施し、内容を検証できる体制を構築する
大規模修繕工事の進め方は、一般的には責任施工方式、設計監理方式の2種類に分類されます。設計監理方式は、管理会社や設計コンサルタント、設計事務所にいる設計監理者に修繕計画を委ねて、施工自体は工事業者に任せる方式です。この方式のメリットは、資金計画から業者選定まで一貫して専門家に任せることができるため、計画や情報整理などの負担を軽減することができることです。また、施工会社への見積もりを統一した基準で行えるため、比較検討がしやすくなります。デメリットは、キックバックや談合が起こりやすい仕組みであることです。この方式は設計監理者が主導で建物診断を実施するので、自ずと工事範囲や内容などの修繕計画も設計監理者が設定することになります。その計画に設計監理者が自らに紐づく施工業者をアテンドすることにより、金額の調整を行うだけでキックバックを受けることができるのです。この設計監理者の裏側の動きを把握することは難しく、発注者にコンサルタント料とキックバックがのった工事費用を請求される可能性があります。
一方、責任施工方式は、修繕工事を行える施工会社が設計と施工を全て実施する方式です。メリットは、調査-工事計画-施工まで一貫して1社に任せることができるので、設計コンサルタント料がかからない点があげられるでしょう。しかし、1社のみの見積もりだと比較対象が無いため、工事内容の検証が難しくなります。そのため、複数の見積もりを獲得して比較し検証する必要があります。ただし、複数見積もりを検証する場合は、施工業者各社で建物を診断するため工事基準も揃わないため、検証の難易度は上がります。
以上のようにそれぞれの方式にはメリット・デメリットがあります。そのことを踏まえて、第三者的なアドバイザーを活用しながらも、そのアドバイザーと紐付いていない施工業者で相見積もりを実施し、内容を検証する必要があるでしょう。

(3)準備段階からスケジュールを設定して進めていく
スケジュールは、その設定の仕方により工事金額に影響を及ぼす項目の一つです。見積もり取得から工事業者決定まで時間がなければ、当然ながら交渉期間も短くなります。交渉期間が短くなると業者としても交渉に応じる理由も少なくなり、結果、工事金額は高止まりしてしまう可能性があるでしょう。そうならないためにも、何をいつまでにどのくらいの期間で実施していくのか計画開始時から設定していくと良いでしょう。特に、大規模修繕工事を初めて行う方は、「見積もりの取得方法、正しい進め方が分からない」、「専門用語も多く内容が把握できない」などのケースも出てくるでしょう。不安がある方は、計画段階で専門家に第三者の視点からアドバイスを求めながら進めることも一つです。大規模修繕工事は準備段階から見ると2、3年越しとなるものものあるためしっかりと準備して進めていきましょう。

大規模修繕工事は取り扱う工事金額も高額になることも多いため、力を入れている大手企業も数多いです。大手企業紐付けの管理会社に一括で任せると安心を買うこともできますが、その分高額な工事になる可能性があります。この様なことも頭に入れて、工事計画を立てていくようにしましょう。

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