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2020.12.24

コラム
業界情報

国土交通省の工事業者格付け制度について

11月初頭にリリースされたニュース記事で、
国土交通省が専門工事業者の格付けを開始するとの発表がありました。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20201102-OYT1T50154/

この格付け制度ですが、
建設業界全体の底上げを狙っての施策のようです。
今回はこの格付け制度がどんな内容なのか、
分かりやすく説明していきたいと思います。

ご存知の方も多いかと思いますが、現状では建設キャリアアップシステムという
個人の技術者を対象とした能力評価制度があります。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_fr2_000040.html

今回の格付け制度はこの建設キャリアアップシステムの登録を
している業者(ゼネコンを除く35職種の専門業者)が評価対象となり、
建設キャリアアップシステムと同様、4段階で評価されることになります。
つまり技術者個人ではなく専門工事業者を評価しよう、
というのが今回の格付け制度です。

具体的にどのような内容で評価するのかと言いますと、
例えば「施工能力」「基礎情報」「コンプライアンス」の評価項目があり、
「施工能力」は施工実績や技術者の人数、
「基礎情報」は資本金や年間完成工事高、
赤字でないかどうか、などが評価項目となります。

その他、従事している技術者に対してきちんと保険をかけているか、
研修を含む教育を実施しているかなども評価項目に含まれます。
では格付けを獲得することによってどんなメリットがあるのか
と言いますと、分かりやすく言えば対外的な評価が得られ、
その結果実利も得られる、ということが挙げられます。

そもそも高い格付けを獲得する自信のない業者は最初から
登録を敬遠するため、必然的に格付けを獲得する自信のある
優良な業者が申請をすることになります。

それによって、優良な業者は格付けによりますます対外的な評価を
得られやすくなり、結果受注増加や単価のアップによって
売上・利益の確保も期待できます。

それにより従業員への還元を手厚くすれば
人材確保もしやすくなります。
このようにうまく格付けを得ることができれば、
そのメリットは殊更大きいと言えるでしょう。

このようにうまく機能すれば優良な業者が増え、
建設業界にとっても良いことづくめのように思われますが、
その一方でこんな見方もできます。
例えば、評価を下す団体との癒着への懸念です。

評価を下すのが団体である以上、優良な業者であっても団体との
関係次第では正当な評価が下されず、
逆に本来なら高い格付けを獲得するのがふさわしくない業者でも、
団体との関係が良好な業者は高く評価される、
ということにもなりかねません。

評価項目の「施工能力」に関しても、
施工実績や技術者の人数が評価基準となっており、
施工の良し悪しは関係なく、
直接技術を評価するものではないとも言えます。

そのような格付けが果たしてどのぐらい
優良業者を選定する役に立つのかは
少々疑問の残るところではあります。

このような懸念がありつつも、
一貫して減少し続けている建設技能労働者を増やし、
建設業界における技能者不足を解消させることを目指しています。
これが今回の格付け制度の大元の狙いのようです。

工事品質も高く技能者のキャリアアップや待遇改善を
推進する業者を格付けで正当に評価することによって、
業界全体の底上げやイメージアップに繋がれば、
就労者にとって建設業界が魅力的で
選ばれやすい業界になっていきます。

今回の格付け制度には色々と課題もありそうですが、
このように建設業界全体が良い方向へ進めば、
当社としても嬉しい限りです。

もし工事ごとでお困りでしたら、ナックスへご相談ください。
包括的にサポートさせていただきます。