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2020.07.06

コラム
業界情報

スーパーゼネコンに見る今後の景気動向

建設業界は、ここ10年好景気を享受してきました。

リーマンショックの影響を受け売上・利益ともダメージを受けてしまったものの、
それ以降は東日本大震災をはじめ、
アベノミクスや東京オリンピック決定に訪日外国人の増加、
そしてそれに伴うホテル需要の増加など、
業界の引き合いが特に強かった時期と言えるでしょう。

最近では売上が大きく伸びないものの、
需要の増加から利益率の高い工事を優先したため利益は拡大しており、
その結果上場スーパーゼネコン4社の利益水準は
バブル期の最終利益を上回る結果となっています。

ところが、昨今のコロナ禍で様々な業界が影響を受けている中、
建設業界も大きな影響を受けています。

スーパーゼネコンも例外ではなく、
それは2021年3月期予想数字に表れています。

今回のコラムではスーパーゼネコン各社の業績予想数字から、
コロナ後の景気動向を読み取っていきたいと思います。

今回、大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設の
上場4社のスーパーゼネコンの決算から数字をピックアップしました。

前2020年3月期の決算は大変良好で、
前述の通り各社ともバブル期の最終利益を上回っています。

新型コロナウイルスが騒がれだした1〜3月の期間は決算への影響が薄かったようで、
各社とも第3四半期決算発表時点での売上・利益の通期予想数字を上回っています
(唯一清水建設の売上が第3四半期決算発表時通期予想1,760,000百万円
→実績1,698,292百万円と下回っている)。

これは新型コロナウイルスの流行はあったものの、
緊急事態宣言が出される前に3月末の決算締めの時期となり、
影響が少なかったためと思われます。

それでは、今2021年3月期の業績予想は各社どうなっているでしょう。

鹿島建設2021年3月期予想(単位百万円)
売上1,870,000 (△7.0)
営業利益111,000 (△15.9)
経常利益118,000 (△19.5)
純利益80,000 (△22.5)

大成建設2021年3月期予想(同上)
売上1,450,000 (△17.2)
営業利益81,000 (△51.7)
経常利益84,000 (△51.5)
純利益56,000 (△54.1)

(※カッコ内の数字は前年同期比%。△はマイナス)

4社のうち、鹿島建設と大成建設が業績予想を出しており、
上記のように売上・利益とも大幅な減少を見込んでいます。
大成建設に至っては各利益が前期の半分以下になると予想しています。

大林組と清水建設は業績の予想が困難なため、数字すら出していません。
つまり、それだけ今期は大きく業績がぶれる可能性を感じているということでしょう。

また各社とも受注高計画の取り止め、発注時期の延期、
全般的な投資抑制等による受注高の減少や、
感染防止対策に伴う建設コストの増加や工期遅延等による工事損益の悪化,
不動産市況・設備投資動向等の外部環境の変化による受注高の減少等により,
業界を取り巻く環境が非常に厳しい状況となることを想定しています。

このようにスーパーゼネコンの決算から今後の動向を俯瞰して見ますと、
先行きの不透明感がとても強く残る印象となりました。

一刻も早く新型コロナウイルスが終息し、
業界全体の活気が戻る日が来ることを願って止みません。